恋のはなし(後編)

<これまでのあらすじ>


おっす、俺はモーニング狼。

6年前に俺が愛した女性が実はデート商法の詐欺師だとわかってさぁ大変。

要求された金額は150万円.......さぁ、どうしようか........

予想以上の反響に驚いてるけど、オチまで含めて完全実話でお送りするぜ!!




平和な昼時の喫茶店においらの声がこだまする.....

「ひゃ、ひゃ、150万円!?」

「一生使えるコートだからそんなにびっくりするほど高い買い物じゃないよ。

それにボーナス払い併用のローンなら1ヶ月1万円からで買えるんだよ。

1ヶ月1万円ってことは1日に約350円。

毎日、1日1杯の喫茶店のコーヒーを我慢するだけでコートが買えるんだよ!」


ごめんなさい、おいら英国紳士じゃないんで毎朝喫茶店でコーヒーを飲む習慣なんてありません......

ちなみにたばこも吸わない人なんで日常的に1日に350円を消費するような生活を送ってませんけど..........


とりあえず、彼女の正体を確定させるためにひとつだけ質問。


「来週の展示会、友達も連れてきていい?」

「ごめんなさい。今回の展示会は本来はうちの会社のVIP会員限定のイベントなの。

それを私の紹介と言うことで特別にあなただけ入場できるように上司にお願いしたの。

だから友達は無理だから.......ふたりっきりで仲良くコート見ようよ!!」



はい、この女はデート商法の詐欺師確定!!

普通、本当にコートの品質に自信を持ってて1着でも多く売りたいんなら友達連れてきてOK、どんどん宣伝して欲しいって思うはず。

三者の介入を拒むのはコートの品質に自信もなけりゃ、価格面でもやましいことがあるからに決まってる。


ここで、先日ニュースでやってた不穏なニュースを思い出す......

「関西を中心にデート商法の被害が急増中!!」


このニュースを見た時点で彼女とは1回食事に行ってました。

この子は違う、って必死に自分に言い聞かせてたのに.......

そして数日後、たまたま本屋で立ち読みした週刊誌にはこんな特集が......

デート商法から身を守る10か条」


そこに書いてたなぁ、

「1日1杯の喫茶店のコーヒーを我慢するだけでこんなに素晴らしいものが買えます」

は詐欺師の常套手段の口説き文句だって........

あ〜、笑えねぇ.............



ここでもう一度、彼女と初めて出会った場所を思い出してみる......

あれはなんばHatchの下のサンクスの前...............メロン記念日の「チャンス of Love」のシングル発売記念イベントの時間つぶしをしてた時だ!?


ここで確信。

おいらと彼女の出会いは偶然でもなんでもない。

こいつ、はなっからヲタを狙ってあの現場で張ってたんだ!!

彼女は欲しいけど女性に免疫は無い、でも小金は持ってる.......

そういうイメージでヲタに狙いをつけてたんでしょう.......最悪や......orz

もう愕然としましたが、とにかく今はこの場を乗り切るのが先決!

ここからは半分くらいウソをついてでも逃げ出してやる!!



「150万円って一括じゃしんどいからローン組んだ方が買いやすいよ。

ほとんどのお客さんはローンで買うんだよ」


「でも、俺バイトだからローン組めないよ」


「え!?正社員じゃないの?...............で、でも大丈夫。

アルバイトでも定期的な収入があるんならローンが通るケースもあるし。」


「俺、来月でリストラされそうなんだよね。

もし、そうなったら当分働く気もないし。

だから仮にローンが通っても来月から収入ないから払えないよ。(もちろんウソ)」


「ダメだよ、頑張って働きなよ」


「ええねん、おかんに食わしてもらうから(ウソとはいえ、言ってて悲しくなってくるw)」


「と、とにかく展示会は見に行こう!

で、試しに契約書だけ書いてローンを通してみようよ。

それで審査に落ちたら、その時にもう1回考えようよ!!」


だめだ、この女一歩も引かないな.......

「じゃぁ、それで。」


とりあえず展示会に行く約束だけして、やっと開放されました。


本当に悲しくなったんで、日本橋まで移動して永瀬愛ちゃんの引退イベントに緊急参戦。

DVDを買って、パッケージに

「Happy Birthday! てっちゃん」

ってサインしてもらって、ちょっとだけ気が晴れる。


そして最後の大仕事。

展示会の前日に彼女に電話をして、

「ごめん!明日やっぱ行けなくなったわ」

ってキャンセルの電話。


「はぁ!? アンタ、自分で何を言ってるかわかってるの!!」


それまでおいらの前では天使のような顔しか見せなかった彼女が悪魔のような声でぶちぎれる!!

私の立場はどうしてくれるの、やら、それが社会人の男のすることか、だの延々と罵られる.......


なんかわからんけど、ひたすら謝ってしまった.......

そして

「もういいよ!!」

という捨て台詞とともに今後、一切連絡が取れなくなりました。


そういや、人間って心理的にウソをつく時は絶対に斜め上を見るんですって。

彼女を思い出すと......

おいらが瞳を見つめようとすると、器用に黒目だけすす〜っと斜め上にスライドさせて白目になるんです。

だからめっちゃ美人なのに、顔を見たときは常に白目になってる子でしたw


あんなのに引っかかりかけたのは今では笑い話です。


ちなみに......

1年位して大阪厚生年金会館ハロプロのコンサートに行ったときもヲタに次々と声をかけてるめっちゃ美人のアンケート嬢がいたなぁ.......

あのとき鼻の下を伸ばして嬉しそうにアドレス交換してたあのヲタ........その後がちょっと心配ですw



みなさんも甘い話には気をつけてくださいね!!


完全実話なんで、たいしたオチにならなくてごめんなさいw